ダイエットにおすすめ?無酸素運動
運動は大きく分けて無酸素運動と有酸素運動があります。まずは無酸素運動について知っておきましょう。
無酸素運動とは
無酸素運動とは、瞬間的に強い力を発揮して行う運動です。有酸素運動とは違って、エネルギーを生み出すときに酸素を使わないため、無酸素運動と呼ばれています。無酸素運動のエネルギー源は筋肉に蓄えられたグリコーゲンと、肝臓や血液中にあるブドウ糖です。
無酸素運動は強い力を出せる反面、長時間持続できないため、消費カロリーも多くはありません。
けれども、筋肉が鍛えられれば基礎代謝が上がり、日常生活の中で消費できるカロリーが増えます。基礎代謝のうち、約半分が筋肉によるものです。また、無酸素運動でアドレナリンや成長ホルモンが分泌されると、脂肪が分解されます。ですので、無酸素運動の後に有酸素運動を行うと、効率よく脂肪を燃焼させることができるでしょう。
ダイエットにおすすめの無酸素運動
無酸素運動の中でも、ダイエットにおすすめなのは腹筋に高負荷をかけるメニューです。それぞれの手順を紹介しますので、ぜひ試してみてください。
・ジャックナイフ
腹直筋や腸腰筋を鍛えられるトレーニングで、V字腹筋とも呼ばれています。折り畳みナイフのジャックナイフと動きが似ていることから、この呼び名がついたと言われています。ポッコリしたお腹を引き締める、姿勢が良くなる、代謝が良くなる、お腹にシックスパックができるなどの効果が期待できます。
まず、仰向けになって床に寝たのち、両手両足を伸ばします。そして、手足を同時に上げ、お腹の真ん中でタッチしたらゆっくり戻しましょう。
このトレーニングで気を付けたいのは、腰を反らさないようにする点です。反動を使わずに、腹筋を使ってゆっくり手足を上げ下げしましょう。きついと感じたら、足を少し曲げるとやりやすくなります。10回から15回を1セットとして、3セットを目安に行うと効果的です。
・クロスクランチ
こちらも腹筋全体を鍛えられるトレーニングです。くびれを作る、姿勢を改善する、脂肪燃焼の効果などが期待できます。
まず、仰向けになって床に寝て、手足をまっすぐ伸ばします。そして、左足と右手を同時に上げ、お腹の上でタッチしたのちゆっくり戻します。反対の手足も同じように行いましょう。
10回から20回を1セットとして、3セットを目安にして行いましょう。注意点は、ジャックナイフと同様腰を反らさないというところです。また、反動を使わず腹筋を意識するのもポイントです。
始めたばかりの段階で、両手両足を伸ばして行うのがきつい場合は、肘を曲げたり膝を立てたりして行うと負荷を下げられます。
・ニートゥーチェスト
プロボクサーも取り組むトレーニングですが、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。腹直筋や大腿四頭筋、腸腰筋などを鍛えられ、腰痛予防につながります。
まず、足を前方に伸ばして座る「長座」の姿勢をとり、肩の少し後ろに手をつき、膝を軽く曲げます。次に、膝を軽く曲げて足を浮かせ、膝を胸に引き寄せて伸ばし、これを繰り返します。
ポイントとして、足を浮かせたときにお尻でバランスを取りましょう。また、足を伸ばした時に、地面ギリギリのところで止めるとより負荷をかけることができます。
呼吸を止めないよう気をつけ、足を上げるときに息を吐き、下げるときに息を吸いましょう。
ダイエットにおすすめ?有酸素運動
次は有酸素運動について知っておきましょう。
有酸素運動とは
有酸素運動とは、長時間にわたって行う運動です。酸素が体内の糖質や脂肪と結びついてエネルギーを生み出すため、有酸素運動といわれています。無酸素運動と違って脂肪を燃焼しやすいため、ダイエットには欠かせません。
有酸素運動を始めた直後は、糖質のほうが多く使われますが、体が温まって血流が多くなると脂肪を多く消費するようになります。かつてはこの状態になるまで有酸素運動を20分以上続けるのが望ましいとされてきましたが、最近では1日のトータルで20分以上行えば同様の効果を発揮できるようです。
有酸素運動は長時間続けるほど大量の酸素を必要とするため、酸素を取り込む肺や、酸素を血中に送り出す心臓が鍛えられます。これに伴って持久力の向上も期待できるのです。
ダイエットにおすすめの有酸素運動
有酸素運動は数多くの種類があります。ウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロビクス、水泳などです。ほとんどの球技も有酸素運動に含まれます。
有酸素運動をするときは、「運動強度」が大事です。運動強度とは「運動のきつさ」であり、METsや心拍数で表します。このうち心拍数で表す場合は、「カルボーネン法」という計算式を使います。計算式は以下のとおりです。
(最大心拍数-安静時心拍数)×目標とする運動強度(%)+安静時心拍数
最大心拍数は「220-年齢」で求められます。安静時心拍数は、横になってリラックスしているときの心拍数で、目を覚まして起き上がる直前に測るのが最適です。運動強度は40~60%のときに脂肪の燃焼が促されます。
仮に45歳男性で安静時心拍数が60の場合は、「(175-60)×0.4~0.6+60」で、1分あたり106~129が目標とする心拍数です。
強度が強い運動としては、水泳・ジョギング・バスケット・サッカーなどがあげられます。そのほか、エアロビクス・ダンス・ヨガ・ウォーキングなども含まれます。
中でも、消費カロリーが最も大きいのは水泳です。クロールで1時間泳ぐと、成人男性は1,337kcal、成人女性であれば1,039kcalを消費するのです。
クロール以外でも、平泳ぎでは成人男性が700kcal、成人女性が544kcalを消費します。水中ポンプでは、成人男性が255kcal、成人女性が198kcalを消費します。カロリーを消費する効率の点で見ると、水泳が優れていることが分かります。
より効果を高める運動方法!
せっかく運動を行うからには、より運動効果が高まる方法を知っておきたいものです。どのように運動するとダイエット効果が高まるのでしょうか。
無酸素運動+有酸素が効果的
運動は、無酸素運動と有酸素運動に分けられます。この2つの違いは、運動時のエネルギー源となっています。
無酸素運動は、筋肉に高負荷をかけるトレーニングを行い、筋線維を損傷させることで筋肉を大きくします。体内に存在する「糖」をエネルギーとして筋肉を動かす運動です。例えば、短距離走やスクワットなどがあげられます。
有酸素運動は、体内に取り込まれた「酸素」をエネルギーとして、軽度の負担をかけ続けます。同時に、燃焼した脂肪をエネルギーとして消費するため、ダイエットに適している運動といえます。ランニング、ウォーキング、水泳などがあてはまります。
脂肪燃焼効果を高めるには、先に筋トレなど(無酸素運動)を行い、その後にウォーキングなど(有酸素運動)を行うのが良いといわれています。
筋トレを行うと、アドレナリンや成長ホルモンなどのホルモンが分泌されます。これらのホルモンには基礎代謝をあげたり脂肪細胞の分解をしたりする働きがあるといわれており、ホルモンが分泌された状態で有酸素運動を行うことで、効率的に脂肪を分解することができます。
タイミング
無酸素運動と有酸素運動、それぞれの運動効果を上げるには、運動を行う時間帯のタイミングにも気を配りましょう。
血糖値は、食後およそ1.5時間のタイミングでピークを迎えるといわれているため、有酸素運動はこのタイミングで行うのがおすすめです。血糖値の急激な上昇や中性脂肪の値を抑える効果が期待できるでしょう。
反対に、食後すぐと空腹時には運動を避けてください。食事の直後は、血流が胃腸に集まるため、運動すると食べ物の消化を妨げてしまいます。また空腹時には、糖分不足によりエネルギーが確保できず、めまいを起こしてしまうおそれもあるため危険です。
人間の交感神経は、午後以降から夕方にかけてピークを迎えます。この時間帯に無酸素運動を行うと、筋肉に刺激が入りやすくなり、運動効果を高められるのです。
まずは筋トレによって筋肉に適度な負担をかけ、その後有酸素運動を行います。ここで注意したいのは、有酸素運動の強度を上げ過ぎないようにすることです。息が上がってしまうほど負荷をかけると無酸素運動と同じ状態になり、脂肪が燃焼しにくくなるおそれがあります。脂肪を燃焼させダイエットを行うには、有酸素運動を多めに取り入れましょう。
ズボラさんにおすすめのダイエット
無酸素運動も有酸素運動も継続してこそ効果を発揮します。けれども忙しかったり、面倒だったり、そもそも運動が嫌いだとすると、長続きしづらいでしょう。そんなズボラさんにもおすすめのダイエット方法を紹介します。
自宅でできる簡単エクササイズ
自宅でいつでもできるエクササイズを覚えておくと、思い立った時にすぐ実行できます。その中から2つ紹介します。
骨盤エクササイズは、骨盤の歪みを改善し、体のバランスを整える効果が期待できます。まず、膝を立てて仰向けに寝て、足を組みます。両手を体の横に置き、息を吐きながらお尻・骨盤・腰・背中の順にゆっくりと持ち上げましょう。肩から一直線になるまで体が上がったら息を止めて、深呼吸を1回行います。このとき、膣に力を入れて締める意識を持つと効果的です。
その後、息を吐きながら体を床に下ろします。
ここまでの動作を1回とし、同じ動作を10回繰り返します。反対側の足も、同様にエクササイズを行いましょう。
足を組む方法以外にも、腿の間にボールや枕などを挟むのも良いでしょう。
お腹引き締めエクササイズは、お腹のぽっこりを解消するためのエクササイズです。椅子に座って両手をお腹に当て、鼻から息を吸ったのち「ふーっ」と吐きながらお腹を凹ませます。これ以上吐けないというところまで息を吐いたら、もう一息力を入れて吐き、腹筋を引き締めましょう。これを5回から10回繰り返すと、腹筋効果が得られてぽっこりお腹の解消につながります。
痩せ体質を作る工夫
普段歩くときも、痩せることを意識した歩き方を実践してみましょう。特に、おへその位置を意識することが大切です。おへそを背中に近づける・上に持ち上げることをイメージしながら、背筋を伸ばして歩くのが理想です。
また、目線を30度上げ、できるだけ大股で速く歩いてみましょう。正しい姿勢をキープしながらの大股歩きは、消費カロリーが増えるうえ、代謝も上がって痩せやすい体に近づけるでしょう。足から前に出るのではなく、腰から前に出る歩き方をイメージします。可能であれば、腕を後ろに振って上半身の筋肉も刺激すると、より効果を高められます。
まとめ
ダイエットでは無酸素運動と有酸素運動の両方を行うのがおすすめです。無酸素運動で脂肪が分解され、有酸素運動で燃焼されます。筋肉が増えれば基礎代謝が上がって、普段の生活でもカロリーを消費できるようになるでしょう。