我慢するダイエットが続かない理由
我慢しながらダイエットすると長続きしません。その理由を紹介しましょう。
ストレスが溜まってしまうから
好きなものを食べられないというのは、誰にとってもストレスです。最初は我慢できても、毎日となれば次第に蓄積して、身近な人に当たり散らしたり、性格がきつくなったりするなど日常生活に悪影響を及ぼします。
他にもやる気が出なかったり、思考能力が落ちたりするという気分的な問題や、肌荒れ、便秘など体調面の弊害もあるでしょう。
このような状態になっても体重が減らないと、自己嫌悪に陥って食事そのものを楽しめなくなり、そこから摂食障害に発展するケースも少なくありません。
ダイエット中にストレスが溜まるのは、長続きしないだけでなく危険でもあります。特に仕事や家事、人間関係などで普段からストレスが溜まっていると、なおさらうまくいかないでしょう。
ドカ食いをしてしまうから
ダイエットで空腹の状態が続くと、その反動でついドカ食いをしてしまいます。普段の量だけでは足りず、あれもこれもと手を伸ばしてしまうのです。その結果、カロリーを摂り過ぎてしまい、それまでの努力が水の泡になってしまいます。
ダイエットでドカ食いするのは、ストレスのせいだけではありません。例えば、ダイエットによって栄養が偏ると、体は不足している栄養を求めて食べ物を必要とします。
空腹の時間が長いのも体が飢えを感じて、食べ物を必要とする原因です。決して意志が弱いわけではありません。
我慢せずにダイエットをする秘訣は?
では、我慢せずにダイエットを続けるには、どのような秘訣があるのでしょうか。
無理な食事制限をしない
確かに摂取カロリーを減らせば、その分だけ痩せられるはずです。けれども先述のようにストレスが溜まったり、必要な栄養素が不足したり、体が飢えを感じたりします。
まずはカロリーを減らすよりも必要な栄養素を摂るよう心がけ、逆に摂り過ぎと思われるものを控えましょう。1日の食事内容を書き出してみると、何が不足して何が摂り過ぎなのか分かりやすくなります。
基本的にどの栄養素も体にとっては欠かせません。タンパク質は体を作る材料になりますし、ビタミンやミネラルは代謝をサポートしてくれます。ダイエットでは目の敵にされがちな糖質も脳にとっては唯一の栄養であり、筋トレをはじめとする無酸素運動のエネルギー源です。良質な油もホルモンの材料になり、炎症を抑える働きがあります。
栄養素ごとに目安となる1日の摂取量は定められていますが、数値よりも手で測るのが簡単です。主食は両手のひら3つ分、タンパク質を含む主菜は片手のひら4つ分、野菜を中心とした副菜は両手のひら3つ分となります。これらは最低限摂るようにしましょう。他にも果物は握りこぶし1つ分、お菓子は片手のひら1つ分です。
これに当てはめてみると、普段の食事は主食と間食を摂りすぎていることに気づくはずです。丼ものや麺類などの1品料理は、栄養のバランスが取りづらいので、外食するなら定食のほうが良いでしょう。コンビニでも弁当ではなく、必要な栄養素が揃うように食べ物を組み合わせます。
ダイエットしない日を作る
あえて食事を制限せずに、好きなものだけを気が済むまで食べる日を設けるのも効果的です。「チートデイ(cheat day)」とも呼ばれています。ダイエット中のストレスを解消するだけでなく、停滞期に入って体重が減らないときにも効果があるようです。
人間の体は「ホメオスタシス(恒常性)」といって、急激に体重が減少すると生命の危機を感じて、消費するカロリーを抑えようとします。チートデイでたくさんのカロリーを摂ることで、ホメオスタシスの解消が期待できるのです。
ただし、いくつかルールがあります。チートデイは多くても週に一度までです。それ以上はリバウンドの恐れがあります。食べ過ぎたからという理由で突発的にチートデイにするのではなく、あらかじめ日にちを決めましょう。
ホメオスタシスの解消を期待するなら、体重が5%以上減ったときです。摂取するカロリーは少なくとも消費カロリーを上回るようにします。消費カロリーの計算方法はいろいろありますが、簡単なのは「体重×40」です。60kgの男性なら2,400kcalとなります。
そんなに食べると体重が増えてしまうのでは?と、心配する必要はありません。食べてから48時間以内ならリセットできます。
私たちの食べたものは、すぐ脂肪に変わるわけではなく、一旦肝臓でストックされます。48時間経ってもエネルギーとして使われなければ脂肪に変わって体内に溜まるのです。それまでに、できるだけ体外へ排出すれば、増えた体重を元に戻せるでしょう。
引き続き糖質や脂肪の摂取を減らすのはもちろん、代謝を促すビタミンやミネラル、排出を促す食物繊維を積極的に摂ります。上手にチートデイを活用すれば、普段のダイエットも我慢できるようになるでしょう。
我慢しないダイエットを始めよう!食事の仕方7か条!
ここまで紹介した方法は、いずれも多少の我慢が必要です。絶対に我慢したくないときは、以下の方法を試してみましょう。
1.食べる順番を変える
少しでも太りにくくするためには、食べる順番を変えるのも効果的です。まずは野菜から食べ、次に肉や魚などのタンパク質、最後にご飯などの糖質を含む主食を食べましょう。
食物繊維が多い野菜を先に摂取すると、糖の吸収が遅くなります。その結果、血糖値の上昇が緩やかになり、余分なエネルギーが体脂肪に変わりづらくなるのです。
2.よく噛んでゆっくり食べる
ダイエットの基本は、よく噛んでゆっくりと食べることです。早食いをすると、エネルギーを体内に蓄えるホルモンやインスリンが過剰に分泌されやすくなり、血液中のブドウ糖が中性脂肪へと変換されてしまいます。
しっかりと噛んでよく味わって食べると、少ない量の食事でも満足できます。よく噛むことで満腹中枢が刺激されるので、食べ過ぎも防げるでしょう。
つい早食いになってしまう人は、普段の食事に根菜類や玄米、全粒粉などを取り入れると、自然と噛む回数が増えるのでおすすめです。
3.カロリーの高い食事は朝か昼にする
ダイエット中はカロリーの高いものは避けたいとはいえ、我慢すると余計にストレスになって食べ過ぎてしまいます。カロリーが高いものは、エネルギーとして消費されやすい時間帯に食べると、我慢しないダイエットを実践できます。
日中は代謝が活発で食べたものが脂肪になりにくいので、カロリーの高いものは朝か昼に食べましょう。
午後10時以降から夜中の2時頃は食べたものが脂肪に変わりやすい時間帯です。「BMAL-1」というタンパク質が活発になって脂肪の生成を促進するので、この時間帯に糖質や油などカロリーが高いものの摂取は控えましょう。
4.ヘルシーなおやつを選ぶ
空腹の時間が長くなると、次の食事を摂ったときに血糖値が急上昇して、脂肪が蓄えられやすくなります。食事と食事の間が4時間以上空く場合は、適度に間食して血糖値が下がりすぎないようにするのが大切です。
おやつはできるだけヘルシーなものを選びましょう。おすすめなのが、たんぱく質や食物繊維を多く含む食品です。ゆで卵やチーズ、ナッツなど栄養が豊富な食べ物をおやつにすると、ダイエットのサポートにつながります。
5.たんぱく質をしっかり摂る
筋肉量が増加すると代謝がアップするので、痩せ体質になれます。筋肉量アップに欠かせないのが、筋肉の材料となるタンパク質の摂取です。
特に野菜中心の食事や、麺類や炒飯といった炭水化物中心の食事だとタンパク質が不足しやすくなります。
我慢しないダイエットを成功させるには、毎日の食事で意識してタンパク質を摂取することが大切です。タンパク質は、肉や魚、卵、納豆などに多く含まれているので、しっかりと摂取しましょう。
6.1日の食事量を4回に分ける
同じ量の食事であれば、回数を分けたほうが痩せやすいです。1日3回食べているのを4回にするほうがダイエットに適しています。
食事の回数が増えると、食事と食事の間隔が狭くなる分、次の食事で血糖値が上昇しにくくなり、結果として脂肪を蓄えにくくなります。4食にするのが難しいなら、3食+間食でも構いません。
注意したいのが、1日全体の食事量を増やさないことです。単純に1食が増えるだけだと、余分なカロリーを摂取してしまい、結果として太ってしまいます。
7.こまめに水分補給をする
水分補給をしっかり行うと、空腹を感じにくくなります。ペットボトルを持ち歩くなどして、こまめに水分を補給しましょう。
また、空腹を感じても、コップ1杯の水を飲むと収まることもあります。お腹が空いたときはすぐに何かを食べずに、まずは水を飲んでみるのもおすすめです。
食事を我慢したくないなら運動が大切!
日常生活で運動量を増やし、消費カロリーを増やすとともに筋力アップを目指しましょう。エスカレーターなどを使わずに階段を使う、空き時間は散歩や掃除をするなど、意識して体を動かすのがおすすめです。
また、家でストレッチや筋トレを行うのも良いでしょう。ジムに通うこともできますが、仕事で忙しかったり、疲れていたりすると、通うのが億劫になります。大切なのは継続することなので、無理のない方法を選びましょう。
まとめ
我慢しながらダイエットすると、ストレスが溜まったり、ドカ食いをしたりするなどして、長続きしません。無理な食事制限はせず、ときにはチートデイを設けて、我慢を感じさせないようにしましょう。