内臓脂肪と食事の関係
脂肪には、内臓脂肪と皮下脂肪があります。皮下脂肪は皮膚のすぐ下につく脂肪で、内臓脂肪はお腹を中心とした臓器の周りにつく脂肪です。
・血圧
・血糖値
・コレステロール値
内臓脂肪が蓄積すると、これらの数値に影響を与えることがあります。そのため、以下のような生活習慣病に注意が必要です。
・高脂血症
・高血圧症
・糖尿病 など
では、なぜ内臓脂肪は増えるのでしょうか。いくつかの原因が考えられますが、そのひとつは食べ過ぎです。
食事から摂取したエネルギーは、普段の活動できちんと消費できれば脂肪として体に蓄えられることはありません。しかし、食べ過ぎて消費できる量を上回るエネルギーを摂取していると、余ったエネルギーが脂肪として蓄えられてしまいます。この状態が続くと、内臓脂肪も増えてしまうのです。
・糖質や脂質の多い食事が習慣になっている
・お腹いっぱいになるまで食べないと気が済まない
・夜の食事が多い
このような方はとくに内臓脂肪が付きやすいので、注意が必要です。
内臓脂肪を減らす食事の方法
内臓脂肪を減らすには、食事の方法を見直すと良いでしょう。ここでは、4つの方法を紹介します。
白米から玄米に変える
いつものご飯を白米から玄米に変えてみましょう。白米は玄米を精米したものです。精米したときに、糠に含まれる以下の栄養などが取り除かれています。
・ビタミン
・ミネラル
・食物繊維
食物繊維には脂質や糖質の吸収を妨げる働きがあるため、内臓脂肪を減らすためには積極的に摂りたいものです。そのため、白米を玄米に変えて食べることをおすすめします。
脂質の量を意識する
料理に使う油の量を意識しましょう。同じ食材を使った料理でも、調理の仕方で油の量が異なります。
焼くよりも炒める、炒めるよりも揚げるほうが油の量を使います。内臓脂肪を減らすためには、できるだけ油の量を使わずに済むような料理を選ぶことをおすすめします。
さらに、肉を使う場合は脂質の少ない部位を選びましょう。バラ肉やロース肉は脂質やエネルギー量が高めなので、内臓脂肪が気になる方は控えたいものです。
・モモ肉
・ヒレ肉
・ささみ
このような脂質の少ない部位を選びましょう。
よく噛んで腹八分目まで抑える
食事を始めてから満腹感を感じるまでには時間がかかるので、早食いの方は食べ過ぎてしまう傾向があります。食べ過ぎ防止するにはよく噛み、時間をかけて食べましょう。
また、内臓脂肪を減らすためには、満腹感を感じるまで食べるのではなく、腹八分目でやめることをおすすめします。腹八分目とは「もう少し食べたいな」と思ったタイミングでやめることです。お腹いっぱいになるまで食べないと気が済まない人は、腹八分目以上を食べているので気を付けましょう。
夜食やアルコールを控える
夜食を取ると、BMAL1というたんぱく質の働きで体内に脂質が蓄積されやすくなります。
BMAL1は体内時計に関わるたんぱく質で、22時~2時の間が最も分泌量が増えるといわれています。BMAL1には脂肪の合成を促し、新たな脂肪細胞を作り出す働きがあるため、分泌量が多い時間帯に食事をすると脂質が蓄積されやすくなるのです。
また、アルコールも控えることをおすすめします。なぜなら、アルコール自体のカロリーも低くないことに加えて、一緒に食べるおつまみのカロリーも揚げ物や炒め物などでカロリー過多になりやすいからです。
内臓脂肪を減らす食品
内臓脂肪を減少させるために、内臓脂肪を減らすのをサポートする食品を意識して摂りましょう。
魚介類
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
・EPA(エイコサペンタエン酸)
これらは、魚類、特にイワシ・サバなどの青魚が豊富に含んでいる必須脂肪酸で、体内で作り出せない脂質です。
脂質というと、脂肪の元になる良くないものというイメージがあるかもしれません。しかし、DHAとEPAは内臓脂肪になりにくいタイプの脂質といわれています。また、血液をサラサラにして動脈硬化を予防するほか、中性脂肪を下げる効果も期待できます。
脂質は太るのでダイエットの敵と思われがちですが、そうではありません。DHAとEPAのように内臓脂肪を減らすためにプラスに働く効果が期待できる脂質は、積極的に摂りましょう。
食物繊維
内臓脂肪を減らすには、食物繊維をしっかりと摂ることが大事です。食物繊維には以下のような働きがあると言われています。
・糖質の吸収をゆるやかにする
食物繊維を摂ると糖質の吸収をゆるやかにするため、食事による血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できます。血糖値が急上昇すると体内に脂肪として蓄えられやすくなりますが、食物繊維にはそれを防ぐ働きがあるのです。
食べる順番も血糖値の変化に影響を与えます。食事のときは食物繊維が豊富な野菜や海藻、きのこなどから先に食べると良いでしょう。先に食物繊維を摂っておくことで、糖質が多く含まれたものを食べても血糖値の上昇がゆるやかになります。
・コレステロールや中性脂肪の吸収を防ぐ
食物繊維にはコレステロールや中性脂肪が吸収を防ぎ、排出する働きがあると報告されています。
コレステロール値や中性脂肪値が基準よりも高いと、体に影響を与える恐れがあります。
・血液がドロドロになり動脈硬化のリスクが高まる
・内臓脂肪が溜まりやすくなる
そのため、食物繊維は積極的に摂りましょう。
植物性たんぱく質
植物性たんぱく質も、内臓脂肪を減らすためにはしっかりと摂りたい栄養素でしょう。なぜなら、血液中のコレステロール・中性脂肪を減らす作用があると考えられているからです。
とくに大豆には、β-コングリシニンという植物性たんぱく質が含まれており、これが中性脂肪や内臓脂肪を減らすのに効果的であることがわかっています。
大豆を使った料理を作るのは面倒に感じるかもしれませんが、豆腐や納豆などの大豆製品なら手軽に食べられるでしょう。毎日の食卓に大豆製品を取り入れて、植物性たんぱく質をしっかりと摂ってください。
内臓脂肪を減らすためには運動も大切
食事方法や食べるものを変えることで、お腹周りについた内臓脂肪への効果が現れやすくなるでしょう。
しかし、それ加えて運動を取り入れると、さらに効果が期待できます。腹筋や背筋、下半身の筋肉を鍛える筋トレに加えて、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を行ってみてはいかがでしょうか。
・エレベーターの代わりに階段を使う
・一駅歩いてみる
こんな簡単なことでも構いません。運動によって筋肉を鍛えて、脂肪が燃焼しやすい体になると、内臓脂肪に効果を出すことができるでしょう。
とはいえ、自分で食事や運動のメニューを考えるのが難しい場合もあるでしょう。そんなときは、メンズエステを視野に入れてみると良いでしょう。
メンズエステでは一人ひとりのお悩みに対して、プロから食生活の見直しや運動のアドバイスを受けることができます。自力でのダイエットに限界を感じている方、効率良く内臓脂肪を減らしたいと考えている方はぜひ検討してみてください。
まとめ
内臓脂肪が増える原因のひとつは食べ過ぎです。食事と内臓脂肪には大きな関わりがあるため、食事に気を付けることが大切だと言えます。
この記事で紹介したように、
・白米から玄米に変える
・摂取する脂質の量を減らす
・よく噛んで腹八分目を意識する
・夜食やアルコールを控える
といったことを継続すると、内臓脂肪の減少が目指せます。また、内臓脂肪を減らすのに役立つとされる食品を摂ること、定期的に運動することも大切です。
【この記事の監修医師】
東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、 嘱託産業医として企業の健康経営にも携わる 木村眞樹子先生