ファスティングが意味ないといわれる原因について
ファスティングとは断食のことです。つまり、一時的に食事をとらないことをファスティングといいます。もともと宗教的な儀式として行われてきましたが、近年ではダイエット目的で行う人も少なくありません。
ファスティング(断食)と絶食は異なります。絶食は何も食べず水だけで過ごすため、体に必要な栄養を摂取することができません。ファスティングは、固形物は摂らないものの必要や栄養素とエネルギーを発酵ドリンクやスムージーなどで摂取します。
ファスティングをやっている間は摂取カロリーが減少するので、どんどんと痩せていきそうですが、「ファスティングは意味ない」といわれることも多いです。では、なぜそういう声もあるのでしょうか。
リバウンドしてしまう
ファスティング後は栄養の吸収率が上がると言われています。そのため、一時的に体重を落とすことができても、その後に摂ったカロリーが体脂肪へと変換しやすくなってしまいます。また、ファスティング後の血糖値が下がった状態のまま急に暴食をすると、血糖値の乱降下を引き起こし、肥満のリスクが高まります。
このように、短期間のうちに体重を落とせる反面、油断するとリバウンドする可能性が高いため、ファスティングは意味ないといわれてしまうことがあるのです。
1食抜いただけ
ファスティングのやり方が間違っているため思うような効果が出ず、それがファスティングは意味ないといわれる原因となっていることもあります。
例えば、朝は食事の代わりに酵素ドリンクを飲み、昼と夜は普通に食べるといった1食抜く方法は、ファスティングではなく置き換えのダイエット法です。これだとファスティングによる効果は得られません。
食事だけ抜いて栄養の摂取を怠っている
ファスティングをやっている間は、固形物を摂取することはありません。しかし、体に必要な栄養はスムージーや酵素ドリンクなどで摂取することが大事です。
ファスティングに取り組んでいる人の中には、何も食べず水だけを摂取する「絶食」をしてしまう人もいます。絶食をすると栄養不足や血糖値の低下が起こる可能性が高く、体調を崩したり続かなかったりするケースも多いです。結果として、ファスティングは意味ないと感じることがあるでしょう。
ファスティングの効果を引き出す正しいやり方
ファスティングを実践しても、やり方が間違っていると効果が得られません。ファスティングの効果を引き出すためには正しいやり方を学ぶことが大事です。
ここからは、ファスティングの正しいやり方を紹介します。
ファスティングを行う前の準備
ファスティングを正しく行うためには、その前に準備をすることが大事です。前日まで通常どおりに食事をしていたのに急にファスティングを行うと、消化器官に負担がかる恐れがあります。
ファスティングを行う期間の半分を準備期間に充てましょう。
例えば、ファスティングを3日行うときは直前の1日半を準備期間とします。準備期間の食事は、おかゆやうどんなど消化に良いものがおすすめです。肉や魚など高たんぱく・高脂肪の食事は控えましょう。
栄養をしっかりと摂取する
ファスティング期間中は、固形物は口にしないとはいえ、栄養はしっかりと摂取することが大事です。十分な栄養を摂るために、酵素ドリンクやスムージーなどを小まめに飲みましょう。
酵素ドリンクやスムージーは、好みの野菜やフルーツ、豆乳などを用意してミキサーで簡単に作ることができます。しかし、毎回作るのは面倒ですし、保存ができないため外出先に持参するのは難しく感じるものです。そんな場合は、市販のものを利用すると手軽に栄養補給ができます。
回復期の食事の戻し方に注意
ファスティング期間が終わった後の食事も大事です。ファスティングが終わったからといって暴飲暴食をすると、胃に負担をかけますし、リバウンドの原因ともなります。
ファスティング期間後は回復期を設定して、消化器官への負担をかけないような食事をしましょう。おかゆやうどんなど消化の良いものを食べるのがおすすめです。
回復期も準備期間と同様にファスティング期間の半分の時間を充てます。3日間のファスティングなら、回復期間は1日半が目安です。回復期を終えたら、徐々に通常の食事に戻していきましょう。
ファスティングを行うときの注意点
ファスティングを成功させるために、またファスティングによって体調不良を引き起こさないようにするために気を付けたい点を紹介します。
ファスティング中だけでなく前後の食事も重要
ファスティング期間中は固形物を食べないため、その前後は好きなものを好きなだけ食べたいと考える人もいます。しかし、先述のとおり、ファスティングの効果を最大限に引き出すためには、前後の食事も大事です。
ファスティング期間の前後に暴飲暴食をすると、消化器官への負担となりますし、体重が増加したりしてファスティングの意味がなくなってしまいます。
前後の暴飲暴食はダイエットが失敗する原因となるため控え、代わりに消化の良いものを食べましょう。
スケジュールに余裕をもって行う
ファスティングを正しく行うためには、ファスティングをする期間だけでなく準備期と回復期が必要となります。ファスティングをする期間は3日間だけだったとしても、準備期と回復期にそれぞれ1日半充てると、全部で6日間必要となるということです。
そのため、ファスティングは無理のないスケジュールで行いましょう。また、ファスティングで体重が減るからといって短期間のうちに何度も行わないことも大事です。
栄養を摂取しつつ行うとはいえ、ファスティング期間は前後を含めて摂取するカロリーや栄養が少なくなります。そのため、短期間で何度もファスティングを行うと、筋肉が落ちたり栄養が不足したりして体に負担となるでしょう。リバウンドや体調不良の原因となるので、スケジュールに余裕をもって行うのがおすすめです。
1日ファスティングなら週に1回~1ヶ月に1回程度、3日ファスティングなら1~3ヶ月に1回の頻度で行うのが目安です。やり過ぎると、ファスティングの効果が得にくくなることもあるので、注意しましょう。
不調を感じたら途中でも中断する
ファスティングを行っていて体の不調を感じたら、無理に続けないようにしましょう。ファスティングを行うと、好転反応が出ることがあります。
ファスティングによる好転反応は、体内に溜まっていた老廃物や毒素が体外に排出されるときに一時的に血液が汚れることによって引き起こされるものです。起こりやすい症状としては、頭痛、眠気、吐き気、寒気、倦怠感などがあります。
このような症状が出ているのにも関わらず、無理してファスティングを続けると体調を崩す原因となる恐れがあるため、不調を感じたら途中でも中断しましょう。
まとめ
ファスティングが意味ないといわれる原因は、正しい方法でファスティングを行っていないことが関係している可能性があります。
ファスティングによる効果を引き出すためには、ファスティングの前には準備期、ファスティングの後には回復期を設定して、消化に良いものを食べることがポイントです。また、ファスティング期間中も酵素ドリンクやスムージーでしっかりと栄養補給を心がけましょう。