太りやすいお酒と太りにくいお酒
お酒は太るといわれることが多いですが、実はすべてのお酒が太る原因となるわけではありません。飲んでも太りにくいお酒もあります。そのため、ダイエット中でも太りにくいお酒を選べば、必ずしも禁酒する必要はありません。
では、どんなお酒が太りやすいのか、また太らないお酒にはどんなものがあるのかみていきましょう。
【太りやすい】ビール、日本酒、マッコリ、ワイン、梅酒
アルコール自体のカロリーは1gあたり7.1kcalですが、体には蓄えられません。そのため、英語で「空の、空っぽの」を意味するエンプティー(empty)を使って、エンプティーカロリーといわれることもあります。
とはいえ、「ビール腹」などの言葉があるとおり、アルコールを含む飲み物で太ることがあるのも事実です。
その理由は、アルコール自体のカロリーは体に蓄えられないものの、お酒に含まれる糖質は体に蓄えられることにあります。そのため、糖質の多いお酒を飲むと、太りやすいのです。
糖質の多いお酒には、穀物を原料としている醸造酒があります。ビールや日本酒、マッコリなどがそうです。
また、甘みのあるお酒は糖質が高いため、習慣的に飲むと太りやすくなります。ワインや梅酒などは糖質が高いお酒に入るので、ダイエット中は控えたいものです。また、甘いリキュール類も糖分が多く入っているため太りやすいお酒といえます。
【太りにくい】焼酎、ブランデー、ウイスキー、ジン、ウォッカ、ラム
お酒の中でも蒸留酒は太りにくいとされています。蒸留酒とは、醸造酒を気化させて、アルコールだけを抽出したものです。
蒸留酒は、原料にかかわらず糖質が含まれていません。そのため、お酒の中でも太りにくいとされています。焼酎、ブランデー、ウイスキー、ジン、ウォッカ、ラムなどが蒸留酒に当たるため、太るのが気になる方は、これらの中から選ぶと良いでしょう。
ただし、割り材で糖分が含まれる飲み物、例えば、コーラやサイダーなどの清涼飲料水、またフルーツジュースなどを使うと太りやすくなります。太らないためには、蒸留酒はロックで飲むか、水やお湯、炭酸水、ウーロン茶など糖分が含まない飲み物で割って飲むのがおすすめです。
糖質の高いお酒と比べて蒸留酒は太りにくいとはいえ、「たくさん飲んでも大丈夫」というわけではありません。蒸留酒は製造過程で蒸留して造られるため、アルコール度数の高いものが多く、中性脂肪が作られやすいことも覚えておきましょう。
通常、アルコールを摂取すると、肝臓で分解されます。その際に中性脂肪(トリグリセリド)が肝臓で作られ、体内に蓄えられます。
アルコール度数が高いお酒は、分解する際に中性脂肪が多く作られることになります。つまり、一概に「太らない」とはいえないのです。
蒸留酒は糖質が高いお酒と比較すると太りにくいお酒に分類されますが、それでもアルコール度数が高いという性質から、中性脂肪がつきやすいのも事実。太りにくいお酒だからといって、飲みすぎないように注意しましょう。
お酒のカロリー・糖質の一覧
太りやすいお酒と太りにくいお酒を見分けるときに確認したいのが、カロリーと糖質です。いずれも高いほうが太りやすいお酒で、低いほうが太りにくいお酒といえます。
以下の表は、お酒の種類別に100mlあたりのカロリーと糖質の量を示したものです。それぞれを比較してみましょう。
お酒の種類 | カロリー (100mlあたり) | 糖質(炭水化物) |
ビール(淡色) | 39kcal | 3.1g |
日本酒(清酒/本醸造酒) | 106kcal | 4.5g |
ウイスキー | 234kcal | 0g |
ブランデー | 234kcal | 0g |
焼酎 | 206kcal | 0g |
赤ワイン | 68kcal | 1.5g |
白ワイン | 75kcal | 2.0g |
梅酒 | 155kcal | 20.7g |
出典:「食品成分データベース」(文部科学省)
表からわかるのは、ウイスキーやブランデー、焼酎といった蒸留酒は、100mlあたりのカロリーが高めということです。しかし、糖質は0gとなっており、太りにくいお酒に分類されます。
一番カロリーが低く見えるのはビールですが、これはあくまでも100mlあたりの数字です。中ジョッキで500ml飲んだ場合のカロリーは、この数字の5倍となり195kcal、糖質は22.5gとなります。
100mlあたりのカロリーが低いものを選んでも、1回あたりに飲む量が多いと太りやすくなるものです。「焼酎だとお湯割り2杯程度で済むけれど、ビールだとジョッキで何杯も飲めてしまう」という場合は、焼酎を選んだほうが太りにくいでしょう。
また、表を見るとわかるように、梅酒など砂糖が加えられているお酒はカロリー・糖質ともに高くなっています。ダイエット中は控えましょう。
おつまみは何を選べば良い?
お酒自体は太りにくいものを選んでも、おつまみを注意深く選ばなければ太ってしまうことがあります。なぜなら、おつまみの中には、アルコールと組み合わせることで太りやすくなるもの、それ自体が高カロリーで太りやすいものがあるからです。
太るのを予防するためには、お酒だけでなく、合わせるおつまみもこだわって選びましょう。
アルコール代謝を促してくれる食べ物
ビタミンB1はアルコールの代謝を促すため、ビタミンB1が含まれた食べ物をおつまみに合わせるのはおすすめです。
ビタミンB1は、豚肉やうなぎ、真鯛、紅鮭、大豆、小豆などに多く含まれています。ダイエット中のおつまみなら、冷や奴や湯豆腐、枝豆、真鯛のカルパッチョなどを選んでみてはいかがでしょうか。これらのおつまみなら、脂質や糖質が少ないため、食べ過ぎなければ太る心配はほぼありません。
また、たんぱく質が豊富な食べ物もダイエット中のおつまみにピッタリです。刺身や焼き鳥、サラダチキン、卵焼きなど脂質が少なくてたんぱく質を多く含む食べ物を、おつまみに選ぶことができるでしょう。
脂質は摂り過ぎると太る原因となります。そのため、ダイエット中はできるだけ控えたいものです。しかし、お酒の飲み始めに脂質を摂っておくと、アルコールの吸収を穏やかにする作用があります。そのため、前菜としてチーズやナッツなど脂質が含まれたものを少量食べるのはOKです。
大量の糖質や脂質はNG
おつまみの定番メニューの多くは、糖質や脂質が高い傾向にあります。そのため、いくら太りにくいお酒を選んでも、糖質や脂質が高いおつまみを選ぶと太りやすくなるため、注意しましょう。
糖質や脂質が高いおつまみには、フライドポテト、ポテトサラダ、ピザ、から揚げ、焼うどんなどがあります。お酒を飲んだ後に〆料理として選ばれることが多い雑炊、ラーメン、お茶漬け、おにぎりといったものも糖質が高いので、ダイエット中は控えたいものです。
また、「野菜なら太らないのでは?」と思われがちですが、意外と野菜にも糖質が多く含まれています。ニンジン、ゴボウ、レンコン、玉ねぎといった根菜類は糖質が多いので、根菜の煮物などはダイエット中のおつまみにはおすすめできません。
アルコールを飲むと、アルコールの消化が優先されるため、おつまみとして食べた糖質や脂質が消化されにくく、体脂肪として蓄えられやすくなります。そのため、太りたくないなら、お酒と一緒に糖質や脂質を多く含む食べ物を食べるのは控えましょう。
太りにくいお酒の飲み方を心掛けよう
太らないお酒、もしくは太りにくいお酒を選び、おつまみに気を付けることで、お酒で太るリスクを最小限にすることは可能です。
それに加えて、お酒の飲み方も工夫することで、さらに太るのを予防することができます。最後に、太らないためのお酒の飲み方を紹介しますので、実践してみてください。
たっぷりと水分補給
お酒を飲んだ次の日に体がむくんでいることはありませんか。「水分を摂りすぎたからむくんでいるのかな。」と思って、お酒を飲むときは水分を控えるほうが良いと考える人もいますが、それは間違いです。
お酒を飲むときは、水分をたっぷりと補給しましょう。チェイサーとなる水やお茶は、アルコールの代謝を促します。お酒を飲み過ぎると、体が熱くなって水分が体内に滞りやすくなりますが、水分をたっぷりと摂ると体の熱を冷ますことができます。そのため、体内の水分が排出されやすくなり、結果としてむくみにくくなるのです。
水分を補給しながらお酒を飲むとトイレに行く頻度は増えますが、そうすることで、体はむくみにくくなります。特にお茶には利尿作用があるため、むくみ防止のためには緑茶やウーロン茶などを飲むと良いでしょう。
空腹やのどが渇いているときの飲酒は避ける
お酒を飲む前は、必ず何かを口にしておくよう意識しましょう。空腹時やのどが渇いているときは、普段よりもお酒が進みやすくなるものです。お酒の飲み過ぎを防ぐため、またアルコールの吸収を抑えるためにも、あらかじめ何か口にしておくようおすすめします。
空腹時なら、ヨーグルトなどの乳製品を食べておくと良いでしょう。乳製品に含まれるタンパク質が胃にいわば膜が張ってくれるので、アルコールの吸収ペースが穏やかになります。ヨーグルトは、味付けされていない無糖タイプでタンパク質が豊富なものを選びましょう。
のどが渇いている場合は、水や麦茶などで水分を補給しておきます。
特に飲み会など、飲み過ぎる可能性が高い場所では、意識して空腹、のどがカラカラの状態での飲酒を避けましょう。
お湯割りやお茶割りのお酒を選ぶ
お湯割りは代謝がスムーズになることから、ダイエット中におすすめです。また、冷たいお酒だとグイグイと飲んでしまいやすいものの、温かいと飲むペースが落ちる点から飲み過ぎ防止にも良いといえます。
お茶割りであれば、糖分のない紅茶やウーロン茶を選びましょう。糖分の含まれたソーダやジンジャーエールであれば、余分な糖分を摂取することになり、太りやすくなります。太りにくいお酒を選んでも、お酒と割る飲み物に太りやすいものを選んでは意味がありません。
お酒は、お湯や糖分が含まれていないお茶で割るようにしましょう。そうすることで、余分なカロリーや糖分の摂取を控えることができます。
飲み過ぎたら3日以内にリセット
飲み過ぎた次の日は体が重く感じるものですが、その時点ではまだ食べたり飲んだりしたものが体に蓄えられたわけではありません。とはいえ、飲み過ぎを繰り返すと太りやすくなるため、早めに対策を講じましょう。
おすすめなのが、飲み過ぎたら3日以内にリセットすることです。飲み過ぎた次の日から3日間は食べる量を減らして、運動量を増やしましょう。
食事の量を極端に減らすと、お腹が空き過ぎて逆に食べ過ぎてしまう可能性があるため、無理は禁物です。ご飯の量を少し減らす、野菜をたっぷりと食べるといったことを心がけ、摂取カロリーを控えましょう。
また、ウォーキングやジョギングなどの運動をプラスするのがおすすめです。仕事が忙しくて運動する時間が取りにくい方は、エスカレーターの代わりに階段を使う、一駅歩くといった工夫で運動量を増やすことができます。
まとめ
この記事で紹介したように、選ぶお酒の種類や飲み方で太りやすくなることもあれば、太りにくくすることもできます。いずれにしても飲み過ぎは太る原因となるので、ダイエット中は飲む量に気をつけましょう。
体型や健康に気を付けつつ適切に楽しくお酒を楽しむためにも、エステなどで施術を受けながら太りにくい体型を手に入れることがおすすめです。