体を引き締めるためにするべきこと
ダイエットをするために、いきなり食事制限や激しい運動をしても長続きしないでしょう。確実に痩せるには、計画を立てることが大事です。
目標体重を決める
まずは何kgまで体重を落としたいのか、目標を設定します。例えば、標準体重にしたいのであれば、BMI指数を22で計算します。計算式は「身長(m)×身長(m)×22」です。身長が170cmであれば、1.7×1.7×22で、63.58kgになります。
もう少しスタイリッシュな体に見せたい場合、美容体重を目指すと良いでしょう。このときのBMI指数は20で計算しますので、目標体重は57.8kgとなります。
以上をふまえ、現在の体重から何kg落とさなければいけないのか計算します。仮に現在、90kgであれば標準体重を目指すと、26.42kg減らすことになります。
ただし、これだけの体重を落とすとなると「短期間で、いつまでに落としたい」という期日の設定は、あまりおすすめできません。なぜなら、短期間で落とそうとすると体に無理がかかったり、リバウンドを起こしやすくなるといった可能性があるからです。
一般的に、人が無理なく1ヶ月で落とせる体重は、5%以内と言われています。
仮に26.42kg落とすのであれば、毎月マイナス3kgを目安にして9ヶ月程で落とす目標にできると、無理なく痩せられるでしょう。
引用: 人間は1ヶ月に減らしてもいい体重が決まっているのをご存知ですか。実は体重の5%までと言われています。例えば60キロの人は3キロまで。それ以上減らすと人体は生命の危険を感じて、ホメオスタシス(恒常性)が働き、ダイエットをする前の状態に戻そうとするのです。体重の5%は「体が異変に気づかない重さ」。これを基準に計画を立てるとダイエットは成功しやすいです。
執筆者:EICO All about 『「ダイエット計画の立て方」を伝授!着実に痩せる方法 』 閲覧日:2019年8月26日
摂取カロリー<消費カロリーの状態を作る
体重を減らすには、消費カロリーが摂取カロリーを上回らなければいけません。
体重を1kg減らすには、7,200kcalを消費しなければいけないといわれています。毎月3kg(21,600kcal)を目標に落とすのであれば、1日あたり720kcal消費しなければ、痩せることができない計算になります。
ダイエット中だけれど、「もう少し食べたい」といった場合、運動するなどして摂取カロリーよりも消費カロリーを増やすしかないでしょう。けれども、運動で消費できるカロリーは意外と少なく、100kcalなら水泳で10分、ウォーキングで20分、筋トレで30分ほどかける必要があります。
こうなると摂取カロリーを減らすほうが、ずっと簡単ではないでしょうか。体重1kg分のエネルギー720kcalは、軽く茶碗によそったご飯の3杯分にも相当します。間食や夜食をやめてみたり、外食から自炊に切り替えたりするだけでも効果を期待できるでしょう。
もちろん、運動は決して無駄ではありません。筋肉を増やせば基礎代謝が上がりますから 、消費できるカロリーを増やすことができます。
体を引き締める「食事」のポイント
脂肪を落として筋肉をつけ、引き締まった体を作るためには、食事内容を意識しましょう。ここでは、食事のポイントについて解説します。
バランスを意識する
まずは1日の食事内容を記録して、客観的に分析してみましょう。無意識にカロリーを摂りすぎていたり、栄養バランスが偏っていたりすることに気づけるはずです。
例えば昼食にラーメンと半チャーハンのセットを頼んでいると、カロリーは1,000kcal前後になり、1食分としては炭水化物や塩分が過剰です。食事内容を記録することで、摂取カロリーを抑える、栄養バランスを取るといった心がけができるでしょう。
食事の量を減らすと、ダイエットをはじめて慣れないうちは物足りなさを感じてしまうかもしれません。そんなときは食べ方の工夫をすることで、満足しやすくなります。例えば、よく咀嚼することは満腹中枢を刺激して、食欲を抑えてくれるでしょう。また、食べる順番を野菜や海藻類などの食物繊維から食べ→次いでタンパク質→炭水化物の順にすれば、余ったブドウ糖を体脂肪に変えるインシュリンの分泌も抑えられます。
どうしても満足できない場合は、食事の回数を増やして空腹の時間を短くするのも良さそうです。もちろん、1日に摂取できるカロリーの範囲で調節しますから、1回あたりの食事量は少なくなります。
食事内容を記録する
食生活の内容を見直したいけれど方法がわからない方や、食べ過ぎていないのに太ってしまう方は、食事内容を記録してみましょう。
食事記録をつけると、普段自分が食べている食事の傾向を客観的に評価できます。思っていたよりもお菓子を食べていたり、野菜が摂れていなかったりなど、改善すべき問題点が見えてくるものです。
難しく考えずに気軽な気持ちでスタートしてみると良いでしょう。栄養素まで調べていると記録が負担になってしまい、三日坊主になる可能性があります。
まずは、下記の3点を記録してみてください。
・食べた内容
・食べた時間
・食べた量
3回の食事に加えて、おやつやカロリーのある飲み物も忘れずに記録しましょう。後で振り返ったときに参考になるように、その日の体重や体脂肪率を合わせて記録しておくのもおすすめです。
メモを取るのが面倒な方は、スマートフォンで撮影するのも良いでしょう。視覚で振り返るだけでも、客観的に食生活を把握できます。
自分に過不足している栄養素や問題点がいまいちわからない方は、食事管理のアプリを使ってみましょう。
栄養士にアドバイスがもらえるものや、カロリーを自動で計算してくれるものなど、種類はさまざまです。自分の好みや目的に合ったアプリを見つけてください。
食べ方を工夫する
同じものを食べるにしても、食べ方の工夫で脂肪に変わりにくくすることができます。ここからは、太りにくい健康的な食べ方を見ていきましょう。
・食べる順番を工夫する
ダイエット中の方は、野菜やきのこ類、海藻類など食物繊維を豊富に含んだ食材を最初に食べましょう。次にタンパク質を含むメインのおかず、最後に主食の順番で食べるよう心がけてください。
食物繊維を先に摂ることで血糖値の急上昇を防ぎ、肥満の原因になるインスリンの分泌が抑制されるため、ダイエット効果が期待できます。
野菜から先に食べる「ベジファースト」は厚生労働省も推奨している方法で、飲食店に対して、先に野菜の料理を提供するよう呼び掛けている自治体もあるほどです。
・噛む回数を工夫する
噛む回数を増やしてゆっくり食べることを意識すれば、カロリーオーバーを防げます。それだけでもダイエット効果を得られるため、日常に無理なくダイエットを取り入れたい方にもおすすめです。
目安としては、1口につき30回の咀嚼を目指してみましょう。
食べ物をしっかりと咀嚼するうちに、ヒスタミンという物質が分泌され、脳にある満腹中枢が刺激されます。食べ終わる前に満腹感を得られれば、無駄なおかわりやドカ食いを防止できるでしょう。
またヒスタミンには、交感神経を刺激して、内臓脂肪を燃焼する効果が期待できます。内臓脂肪が蓄積されると生活習慣病の原因にもなるため、今のうちからよく噛むことを習慣づけておきましょう。
よく噛んで食べると、食事にかかる時間が長くなります。血糖値の急上昇を防げるため、食べた量が少なかったとしても、次の食事までに空腹になりにくいメリットもあります。
咀嚼回数を増やすには、歯ごたえのある食材を選び、大きめにカットするのがおすすめです。
体を引き締める「運動」のポイント
全身を引き締めるためには、運動の継続が重要です。ここでは、効果的に体を引き締めるためのポイントを解説します。
無酸素運動と有酸素運動を組み合わせる
運動には無酸素運動と有酸素運動の2種類があります。前者は酸素を使って脂肪や糖質をエネルギーに変える運動で、水泳やウォーキングなどです。後者は主に筋肉が糖質を消費してエネルギーを生み出す運動で、筋トレがこれに該当します。
ダイエットを目的にするなら、両者を組み合わせるのが効果的です。先に無酸素運動を行って、脂肪燃焼を促してから有酸素運動を行うと良いでしょう。無酸素運動は、ややきついと感じるくらいが理想です。有酸素運動は、20分以上続けると脂肪のほうを多く消費するようになります。
どちらの運動も、ダイエットのために特別な器具を購入したり、ジムに通ったりする必要はありません。有酸素運動なら通勤で1つ先の駅か停留所まで歩いたり、エレベーターでなく階段を使ったりするだけでも、体の変化を期待できるでしょう。
無酸素運動で筋トレを行うときも、スクワットやプランク、レッグレイズなど道具が不要なメニューは豊富にあります。もう少し負荷をかけたい場合、ダンベルの購入を検討すると良いでしょう。消費カロリーを増やすための運動なので、毎日無理なく続けられることが大事です。
運動を始める前と終わった後は、必ずストレッチをします。筋肉の緊張をほぐしたり、可動域を増やしたりするなどして、運動中のケガを防いでくれるでしょう。
運動は週3に抑える
早く理想の身体を手に入れたいからといって、毎日過度な運動に取り組もうとするのは逆効果になるおそれがあります。週3程度を目安にしてトレーニングを行いましょう。
筋肉には「超回復」と呼ばれる機能があります。筋トレによって傷ついた筋肉繊維が適切な休息を取ることによって回復し、さらにパワーアップするメカニズムです。
超回復の仕組みを理解して、適度な休息を取り入れながらトレーニングを行えば、短期間で効率的に体を引き締められます。
トレーニングの休息日には、しっかりと身体を休めることが大切ですが、血行促進や疲労回復のためにもストレッチを行いましょう。
ストレッチを行って筋肉に栄養を送れば、痛みが早く緩和されてより強く筋肉が修復されます。
ストレッチは、大きい筋肉から伸ばしていくのが基本です。開脚したまま体を前屈させて腿の裏を伸ばしたり、正座の姿勢からそのまま後ろへ倒れて太ももの前側を伸ばしたりして、筋肉や関節をゆっくり伸ばしてみましょう。
肩を大きく回して、肩甲骨周りの筋肉をほぐすのも効果的です。
身体の状態を確認し、無理のない範囲で強度を調整しながら体を伸ばしてみてください。
つまずきそうになったときはどうする?
消費カロリーが摂取カロリーを上回るように努力しても、思うように体重が減らない時期があります。そこで辞めてしまう人も多いのが現実です。そんなときに挫折するのを防ぐには、どうすればいいのでしょうか。
あきらめないで続ける
もしダイエットをあきらめて食事制限や運動を止めてしまうと、元の体重に戻ってしまうでしょう。これまで通りの生活を続けていれば、少なくとも減った状態の体重は維持できるはずです。
ダイエットに気を配っていても体重が減らない原因として、燃焼するエネルギーの変化が考えられます。体が燃焼できるエネルギーには3種類あり、1kcal燃焼する際に消費できる量は、糖質とタンパク質が0.25g、脂質は0.11gです。
ダイエットを始めると最初は体に蓄えていた糖質が優先して燃焼され、このとき糖質は3倍の水と結合します。つまり、1kcal燃焼すると体重が約1g減る計算です。
糖質を消費すると、今度は脂質を燃焼するようになりますが、脂質は水とは結びつかないために、1kcal燃焼しても0.11gしか減りません。糖質を燃焼するときと比較すると約9倍の差があり、それだけ体重が減りにくいというわけです。
また、無意識に食事量が増えているかもしれません。体重が減ると「レプチン」という満腹中枢を刺激する成分が減り、決めた同じ食事量では満足感を得られずに、つい食べ過ぎてしまいます。レプチンの量は1ヶ月で正常に戻るので、もう一度、摂取カロリーが消費カロリーを下回るように意識しましょう。
運動面では、体が運動をすることに慣れてしまうと従来と同じメニューの場合、消費するカロリーが減ってしまう可能性があります。有酸素運動は時間を伸ばしてみたり、激しい運動に変えてみると良いでしょう。筋トレはダンベルの重さを変えるなどして、負荷を増やしてみます。
専門家の手を借りる
自分ひとりではダイエットが行き詰まりそうなら、専門家の手を借りてみましょう。専門家は痩せるためのノウハウが豊富です。
例えばパーソナルジムに通うと、トレーナーが運動から食事内容に至るまでマンツーマンで指導してくれます。体重を減らすだけでなく、理想の体型を実現するためにも役立つでしょう。
まとめ
ダイエットで確実に痩せるためには、消費カロリーが摂取カロリーを上回るように、食事制限や運動をする方法がおすすめです。月に減らせる体重の目標値は、現在の体重の5%以内を目安にするのが良いでしょう。いきづまってしまったと感じたときは、パーソナルジムなどプロの力を借りると、専門的な知識でアドバイスをしてくれます。