男性がぽっこりお腹になる原因で多いのは?
一口にぽっこりお腹といっても、人によって体型は異なります。
男性に多いのは、「ビア樽体形」もしくは「リンゴ型肥満」といわれるもので、へその上部から全体的にポコッと膨らんでいる体型です。また、痩せているのにお腹だけはぽっこり出てしまう隠れ肥満の男性も多くいます。
ぽっこりお腹の原因として考えられるのは、内臓脂肪と皮下脂肪のふたつです。自分のポッコリお腹の原因がどちらに当てはまるのか、以下でチェックしてみましょう。
内臓脂肪
男性に多いぽっこりお腹の原因です。余分な脂肪がエネルギーとして内臓周辺に蓄積し、それがぽっこりお腹の原因となっています。
内臓脂肪がぽっこりお腹の原因の場合は、内側からお腹がパンパンに張ってくるため、お腹を指でつまめません。
若いときはスリムだった人でも、30代を超えると内臓脂肪が蓄えられる人が増えるため注意が必要です。男性は腹囲が85cm以上あると、内臓脂肪が蓄積されている可能性があります。
内臓脂肪によるぽっこりお腹は、食べ過ぎや運動不足が原因であることが多いです。
皮下脂肪
皮膚のすぐ下に脂肪が付着すると、皮下脂肪となり、それがぽっこりお腹の原因になることもあります。皮下脂肪の場合は、皮膚のすぐ下に脂肪が蓄えられるため、指でつまむことができます。
内臓脂肪と同様に余分な脂肪がエネルギーとして蓄えられたものですが、短期間で付着することはほとんどなく、ある程度の期間をかけて蓄積されたものです。そのため、急激に皮下脂肪が増加することはありませんが、その分、短期間で一気に落とすのが難しい脂肪でもあります。
お腹に脂肪がつきやすいのはどうして?
脂肪がついたときに、真っ先にお腹周りが太ってしまうのはなぜでしょうか。ここからはお腹に脂肪がつきやすい理由を解説します。
お腹周りの筋力が低下しているから
お腹に脂肪がつきやすい理由として、お腹周りの筋肉が低下してしまっていることが考えられます。ぽっこりお腹を解消するためには、筋肉量を増やして基礎代謝量をアップさせることが大切です。
デスクワークなどで体を動かす時間が減り、座っている時間が長くなると、知らず知らずのうちにお腹周りの筋力が低下し、ぽっこりお腹の原因となります。
また加齢にともない体のインナーマッスルが減少すると、内臓を支えきれなくなってしまうため、内臓が全体的に下垂してお腹がぽっこりと出てしまいます。
食生活が乱れているから
食生活の乱れも、お腹に脂肪がつきやすくなる一因です。食べ過ぎや飲み過ぎによって、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうと、余分なカロリーが脂肪としてお腹に蓄積されてしまいます。
また、普段何気なく手を伸ばしてしまうおやつや間食も、回数が多くなればカロリーの過剰摂取となる原因です。
特に40代以降の男性は、外食や飲み会の機会が多く、太りやすい生活習慣を送りがちな傾向があります。
運動不足だから
年を重ねると、お腹周りの脂肪を落とそうと思っても、食事制限だけではなかなか落としづらいものです。40代以降のダイエットには、運動の習慣を取り入れるのが必要不可欠ですが、多忙から運動不足に陥ってしまう人が多いようです。
運動不足の状態が続くと、全身の筋肉量が低下して代謝機能が落ちてしまい、太りやすい体になってしまいます。
ぽっこりお腹のままでいるデメリットは?
ぽっこりお腹をそのままにしておくと、どうなるのでしょうか?ぽっこりお腹のリスクについて知っておきましょう。
見た目に影響が出る
お腹まわりで服を選ぶと、だぶついて余計に太って見えるため、ぽっこりお腹は見た目に影響を与えます。また、お腹が張り出すので背中を反ってしまい、姿勢も悪くなりがちです。
ほかのデメリットとして、お腹が出ていると年齢以上に見られやすい点も挙げられます。
健康に悪影響が及ぶこともある
ぽっこりお腹は、健康面からも良くありません。特に健康面でのリスクが高いのは男性に多い内臓脂肪です。
また、皮下脂肪の蓄積による肥満が原因で、股関節や膝、背骨などに負担がかかり、膝の痛みや腰痛などの原因となることもあります。
男性がぽっこりお腹を解消する3つのポイント
ここからは、男性がぽっこりお腹を効率良く解消するためのポイントを、3つに厳選して紹介します。
1.筋肉量を増やして基礎代謝をアップする
年を重ねると、若い頃に比べて基礎代謝量が大きく下がり、内臓脂肪が蓄積しやすくなります。基礎代謝を上げるためには、筋トレなどで筋肉量を増やすことが最も効果的です。基礎代謝量が高いと、自然に消費エネルギーが大きくなるため、痩せやすくなるといえます。
2.有酸素運動で脂肪を燃焼する
有酸素運動は、内臓脂肪を減らすのに効果的です。体にほどよい負荷を掛けながら行う有酸素運動は、体内にある糖質と脂肪をエネルギーとして使用するため、体脂肪の減少が期待できます。
気軽に取り入れられる有酸素運動なら、踏み台昇降やもも上げ運動がおすすめです。有酸素運動は習慣化することが大切なので、できれば毎日行うのが理想です。
忙しい中でも上手く隙間時間を見つけて運動することで、ぽっこりお腹の改善につながるでしょう。
3.摂取カロリーを制限する
ダイエットの基本は、食事の内容や量に気を配り、摂取カロリーを制限することです。食事の回数を減らしたり栄養が偏ったりすると、健康面に悪影響が出てしまうので、無理のないダイエットを心掛けましょう。
摂取カロリーの量を、1日に必要なエネルギー量よりも少なく調整することで、健康的に内臓脂肪を減らせます。
カロリーの低い食材には、野菜、きのこ類、ささみ、大豆などがあります。これらは体に必要な栄養素をたっぷりと含んでいるため、ダイエット中の食事に積極的に取り入れましょう。
【食事編】男性のぽっこりお腹の対処法
お腹がぽっこりしている男性は、食べ過ぎであることが考えられます。食事を見直して、ぽっこりお腹の解消を目指しましょう。
ダイエット中の食事のとり方
ダイエット中の食事は、以下の点を意識してみてください。
■食事は三食バランスよく摂る
無理なダイエットをせず、時間をかけて脂肪を減らしましょう。過剰な食事制限や偏った食材のダイエットは逆効果になることもあるため、避けるようおすすめします。
食事は、一日三食バランス良く食べることが大切です。必要な栄養が摂れていると、健康を維持でき、それが痩せやすい体作りにつながります。
間食はできるだけ控えるのが望ましいものの、空腹の時間が長く続くと、次の食事をしたときに血糖値が急上昇して太りやすくなるため良くありません。空腹予防に少量の間食なら摂ってもOKです。ただし、ドライフルーツやナッツ、乳製品など体に良いおやつを選びましょう。
■高タンパク低カロリーを心がける
食事は、高タンパクで低カロリーを意識しましょう。
脂肪を落とすためには筋肉量を増やして基礎代謝を上げることが大切です。タンパク質は筋肉を維持するために必要な栄養素なので、高タンパク食材を摂取すると筋肉の減少を防ぐことができ、結果として基礎代謝の低下も予防できます。
タンパク質の1日の摂取量は、体重×1.2gが目安です。また、体に必要以上の脂肪が付くのを抑えるために、低カロリーの食事を心がけましょう。
■就寝前の飲食は控える
就寝中は消化酵素の分泌量が減るため、食べたものが脂肪として蓄積されやすくなります。そのため、就寝3時間前までには食事を済ませるように意識しましょう。晩酌も同様なので注意が必要です。
積極的に食べるといいとされる食べ物
ダイエット中は食べないことばかり考えがちですが、積極的に食べたい食べ物もあります。
■食物繊維やミネラル
食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富な野菜やきのこ、海藻類を積極的に食べましょう。食物繊維やミネラル、ビタミンは老廃物の排出を促したり、脂肪の燃焼をサポートしたりする役割があるため、ダイエット中は積極的に摂りたい栄養素です。
野菜は生だとそんなに多くの量を食べることはできませんが、加熱するとカサが減るためたっぷり食べることができます。味噌汁やスープの具材のほか、野菜ジュースとして飲んでも良いでしょう。
ただし、野菜でもイモ類やかぼちゃは糖質が多いため、食べ過ぎに注意です。
■発酵食品
発酵食品は、体に有益な成分が豊富なので積極的に食べましょう。特に乳酸菌には腸内環境の改善をサポートする役割があります。乳酸菌は、ヨーグルト、キムチ、チーズ、味噌、納豆などに含まれているので、意識して食べるのがおすすめです。
オイル類は太るイメージがあるかもしれません。確かに摂り過ぎは禁物ですが、極端に減らすのは逆効果です。オイルには便秘を防ぐ、肌の潤いを保つといった大切な役割もあります。αリノレン酸やDHA、EPAのような良質な油を適度に摂りましょう。
【運動編】男性のぽっこりお腹の対処法
運動をすると、脂肪燃焼を促すだけでなく、体を引き締めることができます。ぽっこりお腹を解消するためには運動も取り入れましょう。
無酸素運動と有酸素運動を取り入れる
効率良くぽっこりお腹を引き締めるためには、無酸素運動と有酸素運動の両方を実践するのが効果的です。
・無酸素運動
筋肉に負荷をかけることで筋肉量を増加させることができるので、基礎代謝アップにつながります。
・有酸素運動
脂肪を燃焼させることができます。
ここからは、ぽっこりお腹の男性におすすめのトレーニング方法を紹介します。
■ウォーキング
有酸素運動の中でも、誰でも気軽にはじめられるトレーニングがウォーキングです。
<やり方のポイント>
・姿勢を正す
・腕を大きく振って歩く
・かかとから着地する
・足を地面から離すときに親指に力を入れて地面を押す
脂肪燃焼効果を期待するなら、少しきついと感じるくらいの速度で1日に20分以上行うのがおすすめです。ただし、無理のない範囲で行いましょう。
■踏み台昇降
高さのある台に昇ったり降りたりするシンプルな運動です。階段があるお宅なら階段を使うこともできますし、テレビを見ながらもできるので、ちょっとした時間の合間などを使って行ってみましょう。
踏み台昇降は昇り降りをするときに、体のバランスを保つ必要があるため、体幹を鍛えることができ、お腹の引き締めにも効果的です。
<やり方>
1.背筋を伸ばし、段差の前に立つ
2.右足→左足の順に一段昇る
3.右足→左足の順で降りる
4.2~3の動きを10分間行う
休憩を挟んで、全部で3セットを目標に行いましょう。
■アンクルホップ
「エア縄跳び」とも呼ばれるジャンプ運動です。その場でジャンプするだけの簡単な運動ですが、正しい方法で行えばジョギングの3倍ものカロリーが消費できるといわれています。
基礎代謝をアップさせてお腹の脂肪を燃焼させるのに効果的なので、天候不良時の室内トレーニングとして行うことができるでしょう。
<やり方>
1.背筋を伸ばし、足を少し開いてつま先立ちする
2.膝を軽く曲げ、その場でジャンプをする(このときに手は上げてバンザイをする)
3.つま先で着地する
1~3を5~10回を目安に行いましょう。
■プランク
腹筋と背筋に負荷がかかるので、腹直筋を鍛え、お腹周りの脂肪燃焼を促すのに効果的な運動です。
<やり方>
1.腕立て伏せの姿勢を取り、肘をついて腕は前に伸ばす
2.顔は前を向き、肩~足首までまっすぐな姿勢を30秒間キープ
休憩を挟みつつ、3セットを目標に行いましょう。
■レッグレイズ
腹筋が衰えると、内臓の位置が下がってぽっこりお腹になりやすくなります。レッグレイズは、腹直筋の下部分を鍛えて内臓の位置を正すのに役立つトレーニングです。
<やり方>
1.マットを床に敷き、仰向けになる(両手は体の横に置く)
2.膝を少し曲げて、下半身を少しずつ上げる
3.床と太ももが直角になるまで足を上げたら、そのまま2秒間キープ
4.ゆっくりと元の位置に足を戻す
5.2~4を15回繰り返す
休憩を入れつつ、3セットを目標に行いましょう。
■ツイストクランチ
脇腹の筋肉を鍛えて、お腹周りをすっきりさせるのにおすすめのトレーニングです。
<やり方>
1.マットを床に敷き、仰向けになる
2.両手を頭の後ろに置く
3.右足の膝と左腕の肘を近づける
4.元の位置に戻し、今度は左足の膝と右腕の肘を近づける
5.左右交互に合わせて30回程度行う
休憩を入れつつ、3セットを目標に行いましょう。
日常生活の中で体を整える
普段の生活の中で筋肉に負荷をかけたり、運動量を増やしたりするためにできることもあります。
■呼吸を意識する
脂肪を燃焼させるためには多くの酸素が必要とされます。呼吸が浅いと、十分に酸素を取り込めないため、普段から腹式呼吸を心がけましょう。
腹式呼吸の方法は簡単です。お腹が凹むまで口からゆっくりと息を吐き出し、今度は鼻から空気を吸ってお腹を膨らませていきます。呼吸が深くなることで、より酸素を取り込めますし、お腹周りの筋肉も鍛えられるといったメリットもあります。
■姿勢を正す
正しい姿勢でも筋肉を鍛えることはできます。正しい姿勢とは、背筋を伸ばして顎を引き、お腹を引っ込めてお尻を引っ込めた状態です。体のどちらか片方に重心を置くのではなく、膝をまっすぐに伸ばします。
猫背だと腹筋や背筋に力が入らないため、正しい姿勢をキープするように意識しましょう。
■なるべく歩く習慣をつける
わざわざウォーキングをする時間はないとしても、電車を1駅前で降りて多く歩くとか、エレベーターやエスカレーターではなく積極的に階段を使うなどできることはあります。
最低でも1日に20分以上は歩く習慣をつけましょう。
ぽっこりお腹解消ダイエットをするときの注意点!
実際にぽっこりお腹解消ダイエットを始める際には、注意点が3つあります。
無理のないダイエットを行う
ぽっこりお腹を健康的に解消して、体型をキープさせるためには、無理のないペースでダイエットに取り組むことが大切です。手っ取り早く痩せたい気持ちから極端に食事量を減らしたり、過度な負荷のかかる運動をしたりすると、体を壊してしまう危険性があります。
急激な体重減少にともなって筋肉量も減少し、基礎代謝が落ちてしまうため、結果的に痩せにくい体質になってしまいます。無理なダイエットは、長期的に見るとデメリットばかりなのでやめましょう。
運動は正しい姿勢で行う
筋トレやストレッチを行う際には、正しい姿勢を心掛けてください。せっかくの運動も、間違った姿勢で取り組んでいては効果が半減するだけではなく、腰痛やけがの原因になってしまいます。定期的にフォームを見直して、効果的にぽっこりお腹を引き締めましょう。
サプリメントや漢方に頼りすぎない
また、お腹に付いた脂肪を効率的に落とすために、サプリメントや漢方の服用を考えている方もいるのではないでしょうか。
確かに、それらのサプリメントや漢方には、腸内環境の改善や代謝アップをサポートしてくれる成分が含まれていますが、飲むだけでは痩せられません。
ダイエットは、自分の体に合った正しい情報を取り入れて、食事制限や適度な運動を中心に行うことが基本です。サプリメントや漢方は、あくまでもダイエットの補助的役割であることを理解しておきましょう。
まとめ
食事内容を見直し、定期的に運動をすることで、男性のぽっこりお腹は解消できます。ぽっこりお腹が解消できると、若く見える、幅広いファッションが楽しめるといったメリットだけでなく、健康リスクを減らせるといったメリットもあります。
この記事で紹介した方法を実践して、ぜひダイエットを成功させてくださいね。