皮下脂肪と内臓脂肪の見分け方
皮下脂肪と内臓脂肪、その言葉は知っているけれど、どこが内臓脂肪でどこが皮下脂肪なのか、実はあいまいだという人もいると思います。ここでは、皮下脂肪と内臓脂肪の見分け方についてご紹介します。
皮下脂肪
皮下脂肪は、その名の通り皮膚の下につく脂肪のことで、皮膚の上からつまむことができる脂肪が皮下脂肪です。自分の目で見ることができるので、ちょっとついてきたら気になってしまいますよね。
どちらかと言うと、男性よりも女性のほうが皮下脂肪を気にしている人が多いです。抜群のプロポーションを保つためには、見た目にわかる皮下脂肪をどうにかしたいと考える人がたくさんいるんですね。
皮下脂肪は、ウエストや太もも、ヒップなど、日ごろ見た目を気にしやすい部位につきやすいのも難点。見た目で「太っているなぁ」と感じる人は、この皮下脂肪が原因。しかも女性の方が男性よりも皮下脂肪が多いので、見た目を気にする女性の方が皮下脂肪に敏感です。
皮下脂肪が多くなると腰が痛くなったり肩が痛くなったりと、その重みに耐えきれなくなった体の部位が痛みを引き起こすこともあるので注意が必要。
内臓脂肪
内臓脂肪は、内臓の周りを囲むようにつく脂肪で、見た目だけではわかりにくいため、内臓脂肪の存在に気付かないこともあります。
実は、痩せている人でもたくさんついているケースが多いのがこの内臓脂肪。皮下脂肪のように見た目にはわかりにくいので、痩せていると内臓脂肪に気づかないということになるのです。
どちらかと言うと、女性よりも男性にこの内臓脂肪がついている人が多くなります。見た目は痩せているのに、内臓脂肪がたっぷりついていた!ということも十分にあり得るのです。
また、生活習慣病に関わるのが内臓脂肪です。内臓に脂肪がついているのは危険なので、ダイエットをした際にまず内臓脂肪から落ちていきます。内臓脂肪が多いと言われた人は、病気のリスクに気を付ける必要があるのです。
正確な検査方法
皮下脂肪と内臓脂肪がどのくらいついているのかを見るには、病院でCT検査を受診するのが最もおすすめです。体を輪切りにした状態の写真を観察できるので、皮下脂肪か内臓脂肪かの判断がしやすくなります。
CT検査の所要時間は数秒で、患者さんへの負担も少ないため、気になるのであれば一度受けてみるのもいいかもしれません。
自分が皮下脂肪だと思っていたものが筋肉だったり、自分は普段から健康に気を付けているから内臓脂肪はないと思っていたら内臓脂肪が多めだったりと、実際に目で見ないとわからないことはたくさんあります。
一度正確に検査をしてもらい、自分についている脂肪の状態を見てもらいましょう。
皮下脂肪がつく主な原因は?
皮下脂肪がつく理由はさまざまなものがあり、気づかないうちに皮下脂肪がつきやすい行動をしているかもしれません。
まずは、皮下脂肪がつく原因を知り、原因になりうる行動を取っていないかチェックしてみましょう。
カロリーを摂り過ぎている
皮下脂肪が増える原因は、カロリーの摂りすぎです。1日に消費するカロリー以上に食事を摂りすぎているのであれば、自然と皮下脂肪が増えてきます。
逆に、1日に消費するカロリーより少ないカロリーの食生活を続けていれば、特に何もしなくても自然と皮下脂肪が落ちてくるともいえますよね。それだけ、皮下脂肪は食事と深く関連しているのです。
しかも、皮下脂肪はどれだけたくさん食べても1日でついてしまうようなものではありません。毎日少しずつカロリーオーバーし続けて時間をかけて蓄積されていることが多いので、減らしたくてもなかなか落ちないのです。
運動不足である
以前と比べて食生活に変化がないにもかかわらず、皮下脂肪がついてきたように感じるのであれば、運動不足が原因の可能性があります。
運動不足が続くと筋力が低下して「基礎代謝」が減り、日常生活での消費カロリーが減少するためです。
結果的に消費カロリーを摂取カロリーが上回ることになるため、食生活に変化がなくても皮下脂肪が増える原因になります。
基礎代謝は消費カロリー(エネルギー)の約6割を占めるといわれており、筋肉量の低下は脂肪を燃焼させにくくさせ、皮下脂肪が蓄積する要因のひとつです。
そのため、皮下脂肪を落とすために消費カロリーをアップさせるには、筋肉量を増やす必要があります。
男性の皮下脂肪を落とす方法【食事】
皮下脂肪に直結するのは食事です。炭水化物や揚げ物など、糖と脂肪をたっぷりと摂取する食生活を送っていませんか?皮下脂肪を落とすには、毎日の食事に特に気を付けることが大切です。
野菜から食べる
ただ摂取カロリーを減らすだけではなく、毎食、野菜をはじめに食べるように心がけましょう。野菜から食べることで、血糖値の急激に血糖値が上がるのを抑え、結果的に脂肪の吸収も抑えることができるのです。
摂取カロリーだけ注意していれば何を食べても良いということではありません。前述のように血糖値の上げ方にも気を配って、野菜や海藻などの食物繊維から食事を始めるような意識改革も必要なのです。
脂質を摂り過ぎないようにする
皮下脂肪を落とすためには、脂質を摂り過ぎないようにすることも大切です。脂質はカロリーが高い傾向にあるため、皮下脂肪として体に蓄積されやすくなります。
脂質を多く含む食べ物は、揚げ物や脂身の多い肉類、スナック菓子などが代表的です。また、ナッツ類やバター、チーズ、生クリームなどの乳製品にも多く含まれているため注意しましょう。
ただし、脂質は脂溶性ビタミンのビタミンA、D、E、Kなどの吸収効率を上げる働きがあるなど、体にとって欠かせないものでもあります。
完全に脂質の摂取を断つのではなく、過剰に摂取しないようにすると良いでしょう。また、青魚や亜麻仁油などに含まれる脂質は「不飽和脂肪酸」と呼ばれ、中性脂肪値を下げる働きがあります。
脂質のトータル摂取量を抑えつつ体に必要な分の脂質を摂取するのであれば、不飽和脂肪酸を多く含む食材を取り入れるのもおすすめです。
栄養バランスも気にする
皮下脂肪を落とすために摂取カロリーを制限することは大切ですが、摂取カロリーだけでなく栄養バランスにも注意しなければなりません。
必要な栄養が不足すると、体調不良の原因になる可能性があるためです。また、基礎代謝を上げるために筋肉をつけようとしても、筋肉をつくる際に必要な栄養素が不足しかねません。
栄養不足の状態で筋トレを行えば、筋肉がつくどころかエネルギー源として筋肉を分解して消費するおそれがあります。
結果的にかえって太りやすい体質になるなど、皮下脂肪が落ちにくくなる原因になるため、栄養バランスを意識した食事内容を心がけましょう。とくに、筋トレを行うときはタンパク質を積極的に摂取することが大切です。
間食はカロリーを決めて
間食をする人は150~200キロカロリーまでなどと決め、ランチや夕食などの総カロリーから前後で調節するようにしましょう。間食してしまったら夕食の主食を抜く、半分にするなどの工夫が必要です。
いきなり間食を辞めると、あとから反動が来てリバウンドしてしまうおそれもあります。それを防ぐために、前後の食事と調節しながら徐々に減らしていくか、ナッツやブラックチョコレートなど体に優しい間食に変えていくなど自分に合った方法で間食をコントロールしましょう。
夕食は控えめに
毎日の夕食は控えめにするのがおすすめです。朝や昼はこれからまだまだカロリーを消費する機会があるためさほど気にしなくても大丈夫ですが、夜はあと寝るだけという状態なので、食べたもののカロリーが消費できなくなってしまいます。
しかも、男性は付き合いや残業などで、夜遅く食事を摂ることも多いですよね。夜遅い時間にドカ食いをするのは絶対にNGです。夕食は大豆製品や野菜、魚などを中心としたヘルシーメニューを心がけましょう。
お酒の飲み方も意識する
お酒は意外にカロリーが高いものも多くあるため、皮下脂肪を落としたいのであればお酒の飲み方にも注意する必要があります。
食事の摂取カロリーをコントロールしていても、お酒も飲みすぎると摂取カロリーが過剰になるためです。
また、カロリーの低いお酒であっても、アルコールの分解過程で皮下脂肪の原因となる「中性脂肪」の生成が促進されます。
中性脂肪は、消費されずにいると皮下脂肪となって体に蓄積されるため、お酒を飲む量も摂取カロリーに含めて計算することが大切です。
また、お酒を飲んでいると、ついついおつまみに手が伸びてしまいがちになる方も多いのではないでしょうか。
お酒と一緒に揚げ物などカロリーの高いおつまみを食べてしまうと、皮下脂肪がつく原因になるので、おつまみにも注意しましょう。
男性の皮下脂肪を落とす方法【運動】
皮下脂肪を落とすには、摂取カロリーの把握やコントロールに加えて運動をすることが重要になります。大切なのは「有酸素運動」と「筋トレ」の両方を組み合わせることです。
ここからは、皮下脂肪を落とす際に効果的な運動の方法と、効率をアップさせるためのポイントについて紹介します。
有酸素運動を心がける
有酸素運動は、脂肪燃焼に効果的な運動の方法です。有酸素運動とは、ウォーキングやジョギングなどを長時間継続して行う運動のことを指します。
有酸素運動を20分以上継続して行うと脂肪が燃焼されていくため、短距離を思い切り走るよりも一定のペースで歩くか走り続ける方が効果的です。
普段運動する習慣が不足しがちな人は「ウォーキング」からはじめてみると良いでしょう。
ただし、ウォーキングはただ歩けば良いというものではなく、正しいやり方を意識する必要があります。
とくに正しいウォーキング姿勢を意識していなければ、腰や膝などの体の一部分に負荷がかかり、痛めてしまう可能性があるため注意しましょう。
ウォーキングのやり方
1.サイズがきちんと合うウォーキング用シューズを準備する
2.背筋を伸ばして軽く顎を引き、胸を張った姿勢を維持する
3.目線は下に向けず前に向ける
4.歩くときは「かかと」から着地することを意識する
5.踏み出すときは足の親指で地面を押し返すように力を込める
6.両腕は肘が90度になるように曲げて軽く握り、体の後ろへ引くイメージで歩くペースに合わせて振る
7.会話すると息が切れる程度のペースを維持して歩く
8.20分以上を目安に歩き続ける
ウォーキングは20分以上継続する必要があるため、熱中症を予防するために水分補給は小まめに行うように意識することが大切です。
また、汗を拭くタオルや通気性の良いウェアを着るなど、ウォーキング用の衣服を揃えるのもモチベーションアップにつながります。
とくに、シューズは足への負担軽減につながるため、クッション性に優れたウォーキング用シューズを準備しておくと良いでしょう。
筋トレをする
皮下脂肪を効率良く落とすには、筋トレも欠かせません。筋トレで筋肉量をアップさせることで基礎代謝が向上すれば、脂肪を落としやすくなります。
筋トレにはさまざまな方法がありますが、効率良く筋肉をつけるのであれば大きい筋肉を中心に鍛えていくと良いでしょう。
太ももやお尻、腹、背中などの筋肉は、体の中でも比較的大きい筋肉がある部位です。それらの筋肉は、スクワットや腹筋、背筋などで鍛えることができます。
とくにスクワットは、太ももにある「大腿四頭筋」や「ハムストリングス」のほか、お尻にある「大臀筋」姿勢を維持する「脊柱起立筋」などの筋力アップに効果的です。
スクワットは、大きい筋肉がある太ももやお尻の筋肉を効率良く鍛えられるので、まずはスクワットからはじめてみると良いでしょう。
ただし、スクワットは正しい姿勢で行わなければ膝を痛める可能性があるため、注意しなければなりません。
スクワットのやり方
1.両足を肩幅もしくは腰幅程度に開いて立つ
2.つま先を膝と同じ向きになるように自然に開く
3.両手を胸の前で軽く組む(腕を組むのではなく手と手をつなぐイメージ)
4.ゆっくりと膝が90度になる程度まで腰を下ろす
5.上半身は前のめりにならないように、正面を向く
6.体の力を抜かないように、ゆっくりと元の位置まで腰を上げる
7.4~6を10回程度繰り返す
スクワットで大切なのは、まずはじめたばかりの頃は回数よりも正しい姿勢を意識して行うことです。前傾姿勢になりすぎたり、腰が反った姿勢になったりすると膝や腰に負担がかかってしまうため注意してください。
基本のスクワットに慣れてきたら、回数を増やしていくだけでなく、両足を大きく開いて行う「ワイドスクワット」もおすすめです。
ワイドスクワットは、内ももやお尻の筋肉を鍛えることができるトレーニングなので、基本のスクワットと組み合わせて行うと良いでしょう。
有酸素運動と筋トレは組み合わせよう
有酸素運動は、筋トレと組み合わせて行うと、より効率良く皮下脂肪を落とすことができます。
筋トレで筋肉をつけておけば基礎代謝がアップし、日常生活の中でも自然に脂肪をエネルギーとして消費できるためです。
基礎代謝がアップしている状態で有酸素運動を行えば、さらに効率良く脂肪を燃焼させることができます。
スポーツジムなどを活用するのであれば、トレーニングマシンで筋トレを行ったあとに、バイクや水中ウォーキングを行うのも効果的です。
皮下脂肪は落ちにくい?
皮下脂肪は、内臓脂肪と比べて落ちにくいといわれています。内臓脂肪はエネルギーとして先に消費されていく一方で、皮下脂肪はあとから消費されるエネルギーであるためです。
食事制限や筋トレ、有酸素運動など、ダイエットを頑張っていてもなかなか効果が表れないこともあります。
効果が実感できずにいると、ダイエットを継続するモチベーションが低下し、挫折する原因にもなりかねません。
皮下脂肪を落とすには、食事や運動を見直すのはもちろん「いかに継続していくか」というモチベーションの維持も重要になります。
続けることが負担になってしまったり、正しいダイエット法で行えているか不安になったりしたときは、エステを活用するのも方法のひとつです。
エステを活用すればプロのアドバイスを受けられるため、モチベーションの維持にも役立ちます。
まとめ
さて今回は皮下脂肪を落とす方法についてご紹介しました。皮下脂肪は落とすのに時間がかかるので、根気強くダイエットを続けることが成功への近道です。なかなか落ちない脂肪に嫌気がさして途中で挫折してしまわないように、工夫してダイエットを行いましょう。
ダンディハウスでは、皮下脂肪を落とすためのダイエットサポートも行っております。一人ではなかなかできない、誰かに管理してもわらないとやり遂げる自信がないという人は意外と多いですよね。そんな人はぜひ一度ダンディハウスにご相談ください。丁寧なカウンセリングと細かいデータを分析し、「太る原因」を見つけていきます。一人一人に合ったダイエット法をご提案させていただきます。
【この記事の監修医師】
東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、 嘱託産業医として企業の健康経営にも携わる 木村眞樹子先生