食材から摂る良い脂肪とは?
脂肪には大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があります。
飽和脂肪酸は、主に動物性の脂肪に含まれ、常温では固体で存在するのが特徴です。バターやラード、肉の脂身などが該当します。体内に蓄積されやすく、コレステロールを増やして動脈硬化を引き起こす原因になるため、ダイエット中に限らず摂り過ぎは禁物です。
一方、不飽和脂肪酸は魚や野菜、ナッツ類などに含まれています。常温では液体で存在しており、固体のように見えても絞れば液体で出て来るのが特徴です。
さらに不飽和脂肪酸は、炭素の二重結合の数によって一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の2種類に分かれます。前者は悪玉コレステロールを減らす働きがあり、後者は善玉コレステロールを増やす働きがあるため、ダイエット中は過剰にならない程度に摂りたいものです。
これらの脂肪は、主に以下の食材から摂れます。
赤身の牛肉
一価不飽和脂肪酸である「オレイン酸」を豊富に含む食材です。良質なタンパク質でもあるので、ダイエット中の食事に取り入れても良いでしょう。ただし、飽和脂肪酸の「パルミチン酸」や「ステアリン酸」も多いので、食べ過ぎは禁物です。できるだけ脂身の少ない部位を選びましょう。
鮭
鮭には多価不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。研究では記憶を維持する効果があると報告されている脂肪です。
ほかにも抗酸化物質であるアスタキサンチンやビタミン類を豊富に含むため、アメリカの心臓協会ではダイエットにかかわらず、週に2回の摂取を推奨しています。
豆腐・納豆
豆腐や納豆の原料である大豆には一価不飽和脂肪酸のオレイン酸と、多価不飽和脂肪酸のリノール酸が含まれています。植物性たんぱく質や食物繊維も豊富です。さらに豆腐や納豆として食べればカルシウムをはじめとするミネラル類も補えます。
ただし意外とカロリーが高いため、植物性だからといって食べ過ぎてはいけません。豆腐なら1日に1/3丁、納豆なら1パックが適量です。
オリーブオイル
オリーブオイルはオレイン酸が大半を占め、リノール酸やαリノレン酸なども含まれています。特に「エキストラバージンオリーブオイル」であれば栄養価が豊富です。ほかにも抗酸化物質のフェノール化合物やビタミンEの一種であるトコフェロールも含まれています。適度に摂る分には血管系の疾患を予防してくれる優れものです。
ナッツ類
くるみやアーモンド、ピスタチオ、カシューナッツなどには、不飽和脂肪酸が含まれています。ほかにもアーモンドにはビタミンE、ピスタチオにはカリウムが含まれており、いずれも食物繊維が豊富です。ダイエット中のおやつにすると、噛み応えがあって腹持ちも良いので、少ない量でも満足できるでしょう。
適量は、トータルで片手に乗るくらい(25g程度)です。素焼きで塩などの味付けをしていないものを選びましょう。
アボカド
果実でありながら100g中18.7gの脂質を含むため、「森のバター」と呼ばれています。脂質の中でもオレイン酸が豊富です。また、カリウムやビタミンE、目に良いとされるルテインも含まれています。食物繊維も水溶性・不溶性ともに多いため、便秘防止になるでしょう。
一方でカロリーは100gあたり374kcalありますから、食べ過ぎてはいけません。1日半個が適量です。
脂肪(脂質)の目安と計算方法
脂肪(脂質)のカロリーは、1gあたり9kcalです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、1日に摂るのは摂取エネルギーの20~30%が望ましいとされており、多くの日本人はこの範囲に収まっています。ただし、ダイエットをするなら25%を上限にすると良いでしょう。
これをグラム数に換算すると、以下の計算式になります。
20%または25%=脂質のグラム数×(9÷総エネルギー)×100
例えば、1日の総摂取カロリーを2,000kcalとするなら、摂れる脂質の量は約44.44gとなります。25%なら約55.56gです。
このように脂質の量を計算して、メニューを組むと良いでしょう。
食材からの良い脂肪と運動で痩せる!
良い脂肪は体に良いだけでなく、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす効果もありますが、それだけでダイエットするのは困難です。やはりダイエットでは運動も欠かせません。どのような運動をすればいいのでしょうか。
ダイエットには運動も大切
運動には、エネルギー源の違いで「有酸素運動」と「無酸素運動」の2種類があります。有酸素運動は、酸素が脂肪と結びついて燃焼し、エネルギー源となる運動です。無酸素運動は筋肉に蓄えられたグリコーゲンがエネルギー源となります。
体内の脂肪を燃焼させるのであれば、有酸素運動がおすすめです。ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳など、長時間継続できるスポーツが該当します。脂肪が燃焼する目安は1日につき20分以上運動したときです。
運動する時間が取りづらければ、日常生活の中で体を動かす機会を増やすと良いでしょう。一駅あるいは次の停留所まで歩いたり、エレベーターやエスカレーターを使わず、階段で移動したりするなどです。移動手段を車から自転車に変えるだけでも違います。
もちろん、無酸素運動もダイエットには欠かせません。筋トレや重量挙げ、円盤投げなど、瞬時に力を発揮するスポーツが該当します。脂肪は燃焼しませんが、筋肉を鍛えて基礎代謝を増やし、成長ホルモンを分泌して脂肪の分解を促進するので、有酸素運動の前に行うと効果的です。
こちらも、いきなりジムに通う必要はありません。腕立て伏せや腹筋運動から始めてみましょう。どちらもハードルが高そうに思えますが、簡単にできる方法があります。
腕立て伏せは、通常、両手のひらとつま先で体を支えますが、慣れないうちは体の重みに耐えきれません。そこで、下半身は膝までついた状態で、腕を曲げ伸ばしすると簡単です。
また、腹筋運動は「クランチ」といって、上半身だけを起こすのではなく、下半身も上半身に近づけるようにすると、簡単でありながら腹筋に働きかけます。
まずは10回を3セットできるように頑張ってみましょう。必要な筋肉が鍛えられれば、本来の腕立て伏せや腹筋運動もやりやすくなるはずです。
ほかにも、膝を曲げ伸ばしして腰を上下させる「スクワット」は、下半身の筋肉に働きかけます。下半身には大腿四頭筋やハムストリング、大臀筋などの大きな筋肉が集中しているので、基礎代謝を上げたいときは積極的に鍛えたいところです。これも10回を3セットできるようにしましょう。
運動が苦手でも痩せるには?
運動に対して苦手意識があるなら、エステサロンに通うのもおすすめです。エステサロンでは、プロのエステティシャンがさまざまなアプローチでダイエットをサポートしてくれます。
第三者のサポートによって、自分の状態を客観視するのが可能になり、より適切なダイエット法を選べるようになるでしょう。あとは、組まれたプログラムを実行するだけです。
ダンディハウスでも、ダイエットのコースをご用意しております。自力でダイエットするのは難しいと感じるときは、ぜひご利用ください。
まとめ
脂肪の中でも不飽和脂肪酸は、体に良い働きをしてくれるので、ダイエット中でも適量を摂取したいものです。食材によっては、ほかの栄養素も摂取できます。もちろん、ダイエット中は運動も欠かせません。エステサロンもダイエットをサポートします。
【この記事の監修医師】
東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、 嘱託産業医として企業の健康経営にも携わる 木村眞樹子先生